元 京都市交響楽団 テューバ奏者 武貞茂夫 インタビュー(2026.11.8 京都コンサートホール×京都市交響楽団プロジェクトVol.7「京響創立70周年記念『小林研一郎×京響』」)

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京都コンサートホールと京都市交響楽団(以下、京響)が協働し、その魅力を多角的に発信する本シリーズ。今年開催するVol.7の指揮者は、京都市交響楽団の第8代常任指揮者を務めた小林研一郎氏です。

公演に向けて、当時から近年まで京響に在籍していたテューバ奏者・武貞茂夫さんと、トロンボーン奏者・井谷昭彦さんに、話を伺いました。

小林マエストロと京響にまつわるエピソード、そして小林マエストロの魅力、今回の演奏会の聴きどころなどを語っていただきました。ぜひご覧ください!

 

テューバ奏者 武貞茂夫さん/京響在籍期間 1985年6月~2019年3月
(聞き手:京都コンサートホール事業企画課)

 ――お久しぶりです!京響を退団されてから早7年が経ちましたね。

早いもので、今年で65歳になりました。長年勤めていた京都市立芸術大学の非常勤講師は、定年退職を迎えました。現在は大阪音楽大学、同志社女子大学、大阪教育大学でテューバ専攻生のレッスンをしています。

 

――武貞さんが京響に入団された当時のことを教えてください。

京響に入団したのは1985年6月です。当時は素晴らしいテューバ奏者の先輩方が全国でオーケストラ奏者として活躍されていましたので、どこのオーケストラもテューバ奏者のオーディションはほとんどありませんでした。そんななか、大学3年の終わり頃から、京響に時々エキストラで呼んでいただけるようになりました。その後、京響のテューバ奏者のポストに空きが出て、オーディションを受け入団しました。

 

――ちょうど小林研一郎さんが常任指揮者に就任された直後ですね。

そうなんです。小林さんとは京響における同期ですね!

私は入団したばかりでしたので、小林さんと親しくお話しさせていただくことが恐れ多く、話をする機会はほとんどありませんでした。小林さんは普段はどちらかというと穏やかな印象でしたね。でも、指揮台に立つと全然違うんです!とてもエネルギッシュでした。

 

――特に記憶に残っているエピソードを教えてください。

当時の京都市交響楽団(京響創立30周年誌より/最上列の右端が武貞さん)

ドヴォルザークの「新世界より」(交響曲第9番)を演奏した時のことです。この曲のテューバの出番は2楽章のたった8小節だけなのですが、小林さんは終楽章(第4楽章)の本来テューバがないところでも「演奏してください」とおっしゃったんですよ。小林マエストロバージョンがあるんです!

でも、本来ない音を演奏するのは、私としてはとても恥ずかしかったんですね。それである時、第2楽章が終わったらすぐにそっと練習場を抜け出そうとしたのですが、小林さんが指揮しながら振り返られて、「武貞さん、帰らないで!」と。結局、演奏することになりました。(笑)

ほかのエピソードもあります。確か北海道での演奏旅行だったと思うのですが、楽器紹介を交えながらベートーヴェンの「運命」を演奏しました。もちろんテューバは出番がないので、私は演奏するつもりはなかったのですが、「トロンボーンの1オクターブ下を吹いてください」と言われて演奏したことがありました。

小林さんには貴重な経験をたくさんさせていただきましたね。ご自身の音楽的な考えとスタイルをしっかりお持ちでいらっしゃるマエストロでした。

小林さんが常任指揮者を務められていた2年間は、ブルックナーやマーラーの交響曲などの大曲を取り上げることが多く、1日でメイン級の曲を何曲もリハーサルすることがありました。とても大変で必死でしたが、今振り返ると、オーケストラ奏者としての経験値を高められた2年間だったと感じています。

 

――武貞さんは小林さん以外の指揮者の方ともたくさん演奏されていますが、小林さんならではの音楽は、どのようなところに感じられましたか?

なんといっても旋律の歌わせ方でしょう。他の指揮者とは違う「小林節」を感じました。ちょっとした溜めであったり間であったり、マエストロならではの歌わせ方がありました。アグレッシブでありつつも、歌心を尊重したアプローチをされる印象でしたね。

 

――まさに「炎のコバケン」ですね。

本番はリハーサル時とお顔つきも全く違いましたし、よりエネルギーに満ちていました。その時の感情が音楽として溢れてくるような、そんな感じです。そしてそのエネルギーに、オーケストラ側も掻き立てられるんですね。

 

――現在使用している京響の練習場の建設にあたっても、小林さんの功績が大きかったと伺いました。

昔の練習場は本当にひどかったんです。窓ガラスは割れているし、空調の風で楽譜は飛ぶし、音響も空調も良くない。そのような環境のなか、小林さんは「まず練習場を良くしなければいけない」と、各所に一生懸命に働きかけてくださいました。小林マエストロが常任指揮者を務めている間に練習場は完成しなかったのですが、新しい練習場ができた時には、本当に喜んでくださったと聞いています(練習場の完成は1989年3月)。また、練習場だけでなくコンサート会場となる京都コンサートホールの建設にも力を注いでくださいました。

 

――今回のコンサートで小林マエストロは、チャイコフスキーの《ヴァイオリン協奏曲》と、ドヴォルザークの《交響曲第8番》を選曲されました。

どちらの曲も美しいメロディーが印象的で、歌わせ方が重要な作品です。言葉では言い表すことのできない小林さん独自の歌心を、この2作品ではより楽しんでいただけるのではないかと思います。音楽に感情が溢れた時の小林さんの表情にも、ぜひ注目してください。私も客席で楽しみたいと思います。

 

――貴重なお話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

(2026年8月 ZOOMにて 事業企画課インタビュー)

 

 

武貞茂夫(テューバ)Shigeo TAKESADA, Tuba

1979年3月兵庫県立星陵高校卒業、1983年3月大阪音楽大学卒業。1985年6月京都市交響楽団入団。在団中の1990年にミュンヘンへ留学。2019年3月に京都市交響楽団を退団。

京都市交響楽団在団中、ジャパンブラスコレクション、京響メンバーによる金管アンサンブル等、室内楽活動や尼崎吹奏楽団、京都府立大学オーケストラ等アマチュア団体定期演奏会等のソリストとしても参加。管打楽器コンクールテューバ部門の審査にも長年参加。

指導者としては以下の大学にて、オーケストラ(日本、アメリカ、ドイツ)・自衛隊音楽隊・プロ吹奏楽団の奏者を数多く育てる。

2026年3月、長年にわたり非常勤講師を務めた京都市立芸術大学を定年退職。現在は大阪音楽大学、大阪教育大学、同志社女子大学で非常勤講師を務める。

テューバを森本 努、石崎一夫、唐川集三、Robert Tucci 各氏に師事。

 

 

京都コンサートホール×京都市交響楽団プロジェクトVol.7 「京響創立70周年記念『小林研一郎×京響』」の詳細はこちら。(チケット完売)

【光と色彩の作曲家 クロード・ドビュッシー】進々堂様ご提供の特別パティスリー、詳細決定!

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今年10月13日、11月10日、11月23日と3回にわたって開催されるスペシャル・シリーズ『光と色彩の作曲家 クロード・ドビュッシー』。
そのチラシ裏面で予告させていただいていた「京都コンサートホール×進々堂 特別コラボレーション」について、このたびその内容が決定いたしました!
フランスにちなんだパティスリーをご来場いただいた皆さまにプレゼントさせていただくとアナウンスしておりましたが、進々堂様の粋なお取り計らいもあり、各公演をイメージしたとても可愛らしい&美味しいパティスリー3種が出来上がりました。

ほら、とっても美味しそうで可愛らしいでしょう?!

それでは、それぞれのパティスリーをご紹介させていただきます。

◆ブリオッシュ・ダマンド Brioche d’amandes (第1回(10月13日)配布予定)
新鮮なバターたっぷり、ほんのり甘くふわふわ食感のブリオッシュ。
中には、ブリオッシュと相性抜群のアーモンドクリームが包み込まれています。でも実はこのおいしい組み合わせ、何故かフランスのブーランジュリーでは見かけません。このブリオッシュ・ダマンドは進々堂様の職人技が可能にした、日本にしかないフランスの菓子パン(?)なのです!是非その新しいおいしさをお楽しみください。
ところで表面に プリントされたワンフレーズ、何の旋律かお分かりでしょうか?
そう、第1回にプログラミングされている《前奏曲集》第1巻より〈亜麻色の髪の乙女〉の冒頭部分です。コンサートと一緒に、ぜひこのブリオッシュを味わっていただきたいなぁと思って選曲してみました♪

◆フィナンシェ・ヴァリエ Financiers variés (第2回(11月10日)配布予定)
様々な楽器や作品が寄せ集められた第2回にふさわしい、色んな味が楽しめるフィナンシェです。進々堂様ではドビュッシーのピアノ曲「子供の領分」をイメージしながら開発したのだとか。
金融という意味の“financier”から、金塊型のフィナンシェが一般的ですが、今回はフランスから取り寄せた、ジンジャーマン型とハート型に可愛く作っていただきました。フレッシュなバターがふんだんに使われています。味はランダムで2種類入っており、抹茶やチョコチップ、フランボワーズなどを予定しています。

◆カヌレ・ア・ロランジュ Canelé à l’orange (第3回(11月23日)配布予定)
カヌレとはフランス南西部のボルドー地方の伝統的なお菓子ですが、このカヌレは普通のカヌレとはちょっとひと味違うんです!
フランスのオレンジ・リキュール一流ブランド「グランマルニエ」のリキュールが隠し味として入っています。
ふわりとフランスの薫り漂う《前奏曲集》のように、オレンジの香りが口いっぱいに広がります。

いずれもフランスの伝統的な作り方でありながら、ドビュッシーや彼の作風をイメージしながら新しく生み出された、こだわりたっぷりのオリジナル・パティスリーです。今回それぞれ各公演にお越しの方にもれなくプレゼントしますので、チケットをご購入くださったお客様はどうぞお楽しみに!

またこれら3点に加え、ドビュッシー没後100年を記念した特別マカロンを1個300円にて進々堂様で販売予定です。

表面には、「クロード・ドビュッシーを偲んで」とプリントされています。
味は爽快でほんのり甘いミント味(フレッシュミントをクリームに漬け込んで香りを抽出してあります)。マカロン部分のブルー&ピンク、クリーム部分の白色はもちろん、フランスの国旗トリコロール・カラーを意識したものです。
こちらのマカロンは、ドビュッシー・シリーズの各公演日に京都コンサートホール1階のカフェ・コンチェルトやアンサンブルホールムラタのドリンクコーナーでも販売予定です。ぜひお買い物求めくださいね。

さて、これらのパティスリーは、進々堂様と京都コンサートホールとの間でこれまで何度も話し合いをし、試作・試食を重ねてきました。
今日はその過程もほんの少し、ご紹介させていただきます。

第1回の試食会は京都コンサートホールにて。進々堂社長の続木創様と製造部の須藤様が試作品をご持参くださり、京都コンサートホールの職員で試食させていただきました。

この時点でパティスリーはすでに美味しかったのですが、第2回の試食会に向けて、意見交換を行いました。お菓子と音楽をリンクさせてお話させていただき、充実した楽しい時間を過ごすことが出来ました。

第2回の試食会は進々堂様で開催させていただきました。
当日実際に配布するものと同じパティスリーをご用意いただき、貼付するシールの大きさやデザインなどについて話し合いをさせていただきました。
京都コンサートホールの希望を精一杯受け止めてくださる進々堂様に感謝の気持ちでいっぱいです!本当にありがとうございます!

この試食会の後、今回の企画に快く応じてくださった続木社長様に取材をさせていただくことが出来ました。
パンや音楽など(続木社長は大のクラシック音楽ファンでもあります)、多岐にわたってとても楽しいお話を聞かせてくださった続木社長。インタビューの模様は近日中に公開予定ですので、こちらもどうぞお楽しみに!

 

★《クロード・ドビュッシー 光と色彩の作曲家》特設ページはこちら