京都コンサートホールがお届けする、特別なコンサートシリーズ「The Power of Music~いまこそ、音楽の力を~」。シリーズの最終公演である「京都コンサートホール クリスマス・コンサート」では、親しみあるクリスマス・ソングをはじめ、祈りや復活の気持ちが込められた作品の数々を、 京都コンサートホールの国内最大級のパイプオルガンとハンドベルの豊かな響きでお届けします。
京都コンサートホールの特別シリーズ『The Power of Music~いまこそ、音楽の力を~』の第3弾「オピッツ・プレイズ・ブラームス~withクァルテット澪標~」(11/13)では、ドイツ・ピアニズムを受け継ぐ巨匠ピアニストのゲルハルト・オピッツ氏が、オール・ブラームス・プログラムを披露します。
——さて、新型コロナウイルス感染症によるパンデミックは、世界を大きく変化させました。今回のコンサートを含む4つのコンサートシリーズ「The Power of Music~いまこそ、音楽の力~」は、「コロナに屈せず、“音楽の力”を信じて前に進もう」という思いで企画いたしました。「音楽の力」は、ウィズコロナそしてアフターコロナの状況で、どのような役割を果たす(果たしている)とオピッツさんは思いますか。
<インタビュー内容>
① 《兵士の物語》の作品紹介と注目ポイントを教えてください。
② 第一線で活躍する指揮者の広上淳一氏・大蔵流狂言師の茂山あきら氏と、各大学から選ばれたメンバーが集結して共演することへの意気込みを教えてください。
③ この作品はいまから約100年前、第一次世界大戦やスペイン風邪のパンデミックで世界が苦境に陥っているなか誕生した作品です。現在わたしたちを取り巻く状況と非常に似通った作品背景を持つ《兵士の物語》ですが、コロナ禍でこの作品を演奏する意義を教えてください。
① 1918 年に発表された舞台作品で、管弦打楽器のアンサンブルが語り手と合わせて演奏するというような形を取っています。今回は、トランペットとコルネットを両方使い、クラリネットやヴァイオリンが演奏するような細やかなパッセージがあるのも、数ある難所の一部です。また、各楽器による様々なフレーズや変則的なリズムなどが複雑に掛け合わさって物語を彩っているので、そこを聴いていただきたいです。
② 今からすでに緊張しているのですが、プロの音楽家と一緒に仕事ができることは本当に凄い事なので、必死について行きたいです。他大学の学生の方々と共に演奏できる機会も昨年からは少なくなり、この機会は貴重だと思っているのでとても嬉しいです。
③ 未曾有の事態に巻き込まれた昨今、感染症が私達の生活にこんなに影響するとは思いもしませんでした。ですが、この作品あるいは音楽を通して約100 年前の世界の人々と同じく苦境を乗り越えて生きていける、という意義があると思います。
① 冒頭、トランペットとトロンボーンの軽快な旋律で物語が幕を開けます。トロンボーンの聴きどころは第2部「王の行進曲」。長く病に苦しむ王女を助けるべく、軍医を装って王の元へと向かう兵士ジョゼフの勇ましさが、トロンボーンの力強いメロディーで表現されます。
② 日本が誇るマエストロ、広上淳一さんと共演させていただけますことは大変光栄です。語り手に狂言師の茂山あきらさんといった、普段のクラシック音楽では味わうことのできない、異文化との融合も非常に楽しみにしています。大学の垣根を越えた学生7人によるアンサンブルで、共にこの難曲に挑みます。
③ 長期にわたる緊急事態宣言や外出自粛により、大勢の音楽家が演奏機会を失いました。幸いにも、まだ学生である私は、自身の音楽を見つめ直す機会となり、1ステップ成長することができました。演奏機会があるということ、聞いてくださる方々がいることの幸せを噛み締め、文化芸術に対する理解への感謝を忘れずに、音楽に取り組んでいきたいと思っています。
① この作品には、7種類の打楽器が用いられ、それらを所狭しと並べて、ひとりの奏者で演奏します。それぞれの楽器によって、素材や楽器の大きさ、つくりや奏法も違うため、同じ力で叩いても発せられる音量が異なります。それらをひとつのフレーズに聴こえさせるには、繊細なタッチや、適切な力のコントロールなど、高度な技術が求められるといえます。
② この演奏会に大学を代表して出演させていただけること、大変嬉しく存じております。学生という身分に甘んずることなく、第一線でご活躍されている広上さんや茂山さんと同じ土俵に立つんだという意気込みで、責任と覚悟を持って挑みたいと考えます。また、このプロジェクトを通して、他大学の学生との繋がりを実感しています。ひとつの舞台を作り上げる仲間として、また、同じ職業を志す同志として、この繋がりは大切にしていきたいです。
③ 現在と似た境遇の時代を生きたストラヴィンスキーは、世界をどのように観ていたのか。私はそれを、作品に滲み出た独特で不気味とも言えるテイストから想像します。どこか暗い夢を見ているかのような世界観のこの音楽で、何を伝えたかったのか。夢の中の実在しない奇妙な世界で起きているような、各時代のパンデミック。作曲者自身も、現実とは思い難い、そんな苦悩を感じていたのではないでしょうか。作品の背景を知ったり、それらを学ぼうとする姿勢自体が、大変意味のあることだと私は考えます。
<インタビュー内容>
① 《兵士の物語》の作品紹介と注目ポイントを教えてください。
② 第一線で活躍する指揮者の広上淳一氏・大蔵流狂言師の茂山あきら氏と、各大学から選ばれたメンバーが集結して共演することへの意気込みを教えてください。
③ この作品はいまから約100年前、第一次世界大戦やスペイン風邪のパンデミックで世界が苦境に陥っているなか誕生した作品です。現在わたしたちを取り巻く状況と非常に似通った作品背景を持つ《兵士の物語》ですが、コロナ禍でこの作品を演奏する意義を教えてください。
① 兵士の物語には、たとえお金に恵まれていたとしても心は空虚であり、音楽は人の心を満たす力を持っているというメッセージが込められています。ヴァイオリン奏者からみた本作の注目ポイントは、やはり第2 部の”3 つの舞曲”ではないでしょうか。悪魔が踊り狂う様子を、ヴァイオリンによる技巧的な演奏で表現します。
② 広上さんに茂山さんといった、どこか遠い存在に感じていた素晴らしい方々と共演できるということで、高揚感と緊張感で今から胸がいっぱいです。また他大学の皆さんとのアンサンブルは、同じ関西に居てもなかなか機会がなかったのでとても楽しみです。今回は全員が異なる楽器ということもあり、それぞれの良い個性がぶつかり合う面白いリハーサルになると思っています。
③ 新型コロナウイルスの出現によって、芸術の存在意義について考えさせられる場面が、これまでに沢山あったかと思います。様々な分野で苦渋の決断を迫られるなか、音楽、そして芸術分野の存在意義を題材にしたこの作品と向き合うことができるのは、音楽家を志す私にとって大変意義深い経験になると思います。
① この作品は少人数・低予算、かつ狭い場所でも興行できる作品として作られました。コントラバスのパートは、兵士や悪魔の足取りを表現されているようにも聴こえます。複雑な変拍子や、少人数だからこそ表現のできる兵士の表情にも是非ご注目いただきたいです。
② この演奏会に出演させていただける事、とても嬉しく思っています。共演する方々と共に、いい作品を作りあげられることを楽しみにしています。
③ 当時は、パンデミックにより作品を各地で演奏することができなかったそうです。今この状況の中で演奏するに当たって、このコロナのパンデミックに打ち勝つという願いを込めたいです。
① この作品では、クラリネットはA 管とB♭管の二種類の楽器を使って演奏します。A 管はB♭管に比べて管の長さが長いため、特有の深みのある音色がします。クラリネットが活躍する曲(パストラルや小さなコンサート等)で、二種類の楽器の違いをお楽しみください。
② 「兵士の物語」をこの豪華なメンバーでできることに幸せを感じています。広上さんの指揮で演奏することも初めてなので楽しみです。このメンバーでの最高のパフォーマンスをお届けしたいです。
③ コロナ禍でも足を運んでくださるお客様に、勇気と感動を与えられることが私たちのできる精一杯だと考えています。「兵士の物語」とこの今の状況を思い合わせながら演奏します。
① 本作は初演当時、多くの芸術家が経済的困窮にあった時代背景から、そんな状況でも上演できるというコンセプトのもとに誕生しました。「3つの舞曲」や「悪魔の踊り」などで度々登場するファゴットの技巧的なパッセージに、是非ご注目いただきたいです。
② 今回の出演オファーをいただき、広上先生や茂山さんはもちろん、関西で活躍する同世代の名プレイヤーたちとご一緒できることをとても光栄に思っています。今この時代の若手演奏家だからこそ作り出せる演奏の熱量を武器に、本作と向き合っていければと思います。
③ 本公演の開催が、現在のこの膠着状態を打開するためのひとつのエネルギーになればと考えています。目に見えないものと闘う中で、人々の心に寄り添えるような舞台を作ると同時に、苦しいときに何かができるプレイヤーでありたいと思っています。