【3つの時代を巡る楽器物語 第2章 】小倉貴久子インタビュー(前編)

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京都コンサートホール

10月25日の『3つの時代を巡る楽器物語』第2章の公演開催まで、残すところ1ヶ月となりました。そこで、ご出演いただくフォルテピアノ奏者の小倉貴久子さんにメール・インタビューを行いました。前編、後編に分けてお届けします。ぜひ最後までご覧ください!

――この度はメール・インタビューの機会をいただき、ありがとうございます。小倉さんは日本を代表するフォルテピアノ奏者として活躍されておられますが、大学在学中に留学されたオランダで古楽器に出会い、それがきっかけで独習されたとお伺いしました。その時のお話を詳しく教えていただけますか。

小倉貴久子さん(以下、敬称略):東京藝術大学ピアノ科を卒業して大学院在学中に留学したオランダで、運命の出会いがありました。ピリオド楽器と呼ばれる、作曲家が演奏していた当時の楽器によるコンサートに行き、目から鱗の落ちるような大きなショックを受けたのです。バロックチェロのビルスマ(*1)、チェンバロのレオンハルト(*2)など、当時のオランダは古楽が盛んで、まさに最も刺激的な世界でした。その演奏は「今、生まれたばかりの音楽」という瑞々しさに溢れ、一体この世界はどうなっているのだろう?とその魅力にはまってしまいました。たくさんの古楽のコンサートに通い、チェンバロをプライベートで習い始め、フォルテピアノの製作家の工房に足繁く通いました。当時の演奏スタイルは、たくさんの古楽の友達との共演などを通して、実地で学んでいったという感じです。

(*1) アンナ―・ビルスマ:1934年~2019年、オランダ生まれ、バロックチェロの先駆者かつ世界的な名手として知られる。

(*2) グスタフ・レオンハルト:1928年~2012年、オランダ生まれ。 ピリオド楽器による古楽演奏の先駆者として知られる。

――なぜ留学先にオランダを選ばれたのですか?

小倉:オランダを留学先に選んだ直接の動機は、すばらしい指導者でありピアニストのヴィレム・ブロンズ先生に師事するためでした。藝大の学部2年のときにレッスンを受けてから毎年のように藝大に招聘教授として来日されていらして、留学はブロンズ先生のところ!とずっと決めていました。実はその時には、オランダが古楽演奏の先進地である、ということすらも知らなかったのです。留学してすぐにストラヴィンスキーのピアノ協奏曲のソリストに選ばれて音楽院の定期演奏会で演奏しました。オランダは現代音楽のメッカでもあったので、現代音楽のスペシャリストのレッスンを受ける機会もありました。

――小倉さんは1993年古楽界の最高峰と言われるブルージュ国際古楽コンクールのアンサンブル部門で優勝(ピンチヒッターで出場され、短期間で猛特訓されたとか!)、さらに1995年にはフォルテピアノ部門を制されています。コンクールの時のお話を聞かせてくださいますか。

小倉:藝大大学院を休学しての留学でしたので、2年間というリミットの最後に同級生の留学地であったフランス、ドイツ、オーストリアなどに旅行するという企画を立てていましたところ、急遽ブルージュ国際古楽コンクールアンサンブル部門のフォルテピアノ奏者のピンチヒッターを頼まれました。1ヶ月しか準備期間がなかったのですが、留学最後の楽しそうなお誘いに「私でいいならやりま〜す!」とふたつ返事で引き受け特訓しました。まさかの第1位をいただき夢のようでした。受賞後、古楽関係の友人から、「これは最も権威あるコンクールなのだから、これからしっかりね!」などと言われ、私自身も驚きました。その2年後のソロ部門への挑戦の時は、事前にリサイタルをするなど綿密に準備を重ねました。コンクールは8月だったのですが、その時実は妊娠中で10月に娘を出産しました。本選会場に向かっているとき、お腹が張ってきたりして、「リラックスしないと〜」と思い、かえって柔らかい気持ちで本番に臨めて良かったのかもしれません。

――フォルテピアノでの演奏を聴くことにより、現代のピアノにはない音色や表現を味わえ、作曲者の思いをより深く感じることができます。小倉さんの感じるフォルテピアノの魅力は何でしょうか?

小倉:現代のピアノは、大ホールで多くの聴衆に大きな音で提供できるように、また楽器が温度湿度などから破損したりすることのないように、という目的で徐々に変化していき一般化した形になりました。安定した音質、管理の容易さなどが手に入りましたが、かたや18世紀、19世紀に大切にしていたことを失ってしまったという面があります。作曲家が作品に託したメッセージというのは、時を隔てて継承できると思うのですが、その道具となる楽器によって実際に創造される世界は大きく異なっていきます。ちょっと乱暴な例えですが、「ショーウインドウに入った本物そっくりの完璧な腐らないケーキ」と、「1日の賞味期限しかない手作りのケーキ」のような違いです。具体的には、鋳型金属製フレームをもたず、木製のケースに平行に弦が張られ(*3)、皮巻きのハンマーが使用されています(*4)。言葉と密接な関係にあった音楽の発音方法、多声部の扱い、音響的効果など、作曲家がイメージして楽譜に書いた音符や表情記号を表現できます。

(*3)  作曲家や演奏家たちが鍵盤楽器の音域の拡大を要求し始めたことにより、木製のフレームでは弦の強い張力を耐えることができなくなったため、現代のピアノでは金属製フレームを使用されるようになった。

(*4) 現代のピアノではハンマーを包む素材としてフェルトが使用されている。

――小倉さんは古楽器の様々な演奏会の企画や、フォルテピアノのアカデミーにも力を入れてらっしゃいます。このシリーズの第1章にご出演いただいた川口成彦さんも、小倉さんに師事しなければ古楽にのめりこむことはなかったと仰っていました。

日本にはまだまだフォルテピアノの台数も少なく、ピアノと言えば、現代のピアノを思い浮かべる方が多いと思います。しかし、モーツァルト、ベートーヴェン、ショパン、シューマン、ラヴェルでさえも、ピアノと言えば、フォルテピアノだったのです。つまりピアノ曲の重要なレパートリーのほとんどが、現代のピアノ以前の楽器で作曲されていました。私自身、知らなかったときには何も疑問を感じずに現代ピアノを弾いていましたが、オランダで生の音を聴き、体験してこの素晴らしい世界に足を踏み入れました。ぜひ、コンサートにお越しいただき生の音を体験していただきたいと願っています。

――小倉さん、ありがとうございました。後編では、今回の演奏会についてのお話を伺う予定です。

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チケットは好評発売中です。公演の詳細はこちら♪

https://kyotoconcerthall.org/calendar/?y=2020&m=10#key20554

【ベートーヴェンの知られざる世界 特別連載③】バリトン歌手 大西宇宙 インタビュー

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京都コンサートホール

京都コンサートホールの開館25周年とベートーヴェンの生誕250周年を記念して開催する、コンサート・シリーズ「ベートーヴェンの知られざる世界」。

公式ブログでは、シリーズの魅力をお伝えする特別連載を行っております。
第3回は、Vol.1「楽聖の愛した歌曲・室内楽」(10/10開催)に出演していただく、バリトン歌手の大西宇宙さんにメール・インタビューを行いました。

今回歌っていただくベートーヴェンの歌曲についてや、コロナにおける大西さんの取組についてなど、興味深いお話を聞かせてくださいました。ぜひ最後までお読みください。

©Simon Pauly

――この度はお忙しい中、メールインタビューを引き受けてくださり、ありがとうございます。まず大西さんご自身のことについてお伺いいたします。
大西さんはシカゴ・リリック・オペラの所属歌手として、幅広くご活躍なさっています。アメリカを活動の拠点とされたきっかけは何だったのでしょうか。また新型コロナウイルス感染症拡大前の主な活動について教えてください。

アメリカへはまず、ニューヨークのジュリアード音楽院に留学するため渡米しました。世界各地から優秀な指導者と音楽家が集うこの芸術大学で、リーダーアーベント(※「Liederabent(歌曲の夕べ)」)やオペラ公演に出演するのはとても刺激になりました。そんな中、シカゴの歌劇場でオーディションの機会を得ることができ、その後もアメリカの劇場で歌わせていただく機会を頂いています。

新型コロナウイルス感染症拡大前は、ヨーロッパとアメリカ、日本を往復していました。フィラデルフィア歌劇場のリハーサルのためにアメリカに戻った瞬間に、次々と公演がキャンセルになってしまい、これからどうなってしまうのだろうと、恐怖を感じたのを覚えています。

シカゴ・リリック・オペラ「Rising Stars Concert」

――新型コロナウイルス感染症の猛威は計り知りませんね…。
次に、コロナ禍における大西さんの活動についてお伺いします。
感染拡大により、多くのアーティストたちが活動中止を余儀なくされ、アメリカのオーケストラや歌劇場など年内のコンサートが多くキャンセルされたニュースも見ました。
そんな中、大西さんは「宇宙と歌おうプロジェクト」でこれからの音楽家たちを支援されたり、オンラインコンサートに出演されたり、インスタグラムでゲストを招いてライブトーク配信をするなど、様々な活動をされているかと思います。
プロジェクトを始められたきっかけや思いなどをお聞かせいただけませんか。

2月ごろ、アジアやヨーロッパで感染が広がる中、アメリカはまだ楽観的でした。しかし現在は、最も厳しい状況に置かれている国の一つとなってしまいました。私もアメリカでの活動の多くが延期、中止を余儀なくされました。

私のいくつかのオンラインのプロジェクトは、そんな中で音楽家同士の横の繋がりを強めたい、という思いから始めました。
1人で自分だけのためのリモート演奏をすることもできますが、音楽はできるだけ人と楽しみたい。なのでライブトークなどを通じて、音楽について、あるいはコロナ禍をいかに乗り切るか、これからどんな可能性があるか語り合う場を作ることができれば、と思いました。

またロックダウン中は配信だけでなく、世界の同僚たちとなるべく会話し、情報・意見交換するよう努めました。それぞれの国の対策や、状況によって対応の仕方が様々で、芸術家からはどの様なアクションが求められているかを知る、良い機会になりました。

そして「宇宙と歌おうプロジェクト」を始めた背景として、表現の場を失った音楽家たちがたくさんいて、この先も自由に演奏ができるかわからない…特に音大生を含む若い音楽家は、これからまさにという時に、大変な時代になったと思います。音楽の楽しみ方は聞くだけではないと思ったので、なるべくメジャーな曲を、むしろ学生やアマチュアの方にも一緒に歌って楽しんでもらえるような企画を作りたく、このプロジェクトを始めました。今後も継続していければと思っています。

リモート収録風景

――素晴らしい試みですね!ところで大西さんの主な活動は、オペラやオーケストラのソリストとしてのご活躍が多いと思いますが、歌曲の演奏活動をどのようにとらえていますか。またオペラや宗教曲などの独唱と比べて、歌曲の魅力はどういうところにあると思いますか。

何より自由さ、でしょうか。オペラは筋立てや、物語の構成や役が予め決まっていますが、歌曲は自分の解釈と想像力次第で、詩の中の登場人物を自由に旅させることができます。また、プログラミングにも個性が出ます。今回は1人の作曲家というテーマがありますが、私は曲同士を物語のように繋げていくのが好きで、音楽の対話によって、その物語をお客さまと一緒に旅していくように演奏できたらと思っています。

 

――今回歌っていただくベートーヴェンの歌曲は、歌曲やリートの中でもなかなか歌われる機会が少ないかと思います。聴きどころを教えてください。

今回は、私にとっても初挑戦の曲が多い演奏会となります。ベートーヴェンの歌曲は、音楽史の面から見ても特異な存在で、モーツァルトやシューベルトの歌曲とも違います。古典的なきっちりとした形式でありながら、ロマン派的な情熱を含んでいて———まじめでありながら奇抜というか、高貴でありながら人間らしいというか…ベートーヴェン自身のような、複雑な人間性が溢れているユニークな作品ばかりだと思います。
私が歌で一番大事にしているのは言葉、つまり詩のテキストなのですが、ベートーヴェンはその詩に非常に、実直に音楽を付けているという印象があります。なのでとても表現をするのが楽しいですね。

また歌曲を歌っていると、驚かされるのは伴奏の雄弁さです。ピアノや器楽のパートが歌の表現を先導していて、シンプルでありながら詩の内容にぴったりと寄り添うような伴奏が展開されています。その絶妙な掛け合いにも注目していただきたいですね。

浜離宮朝日ホールでのリサイタルにて

――当日お聞きできるのがとても楽しみです!
ベートーヴェンといえば、純オーケストラ音楽である「交響曲」というジャンルに初めて声楽を入れた(第九交響曲)だけでなく、オペラ(フィデリオ)や宗教曲(ミサ・ソレムニスなど)、歌曲など、声楽作品も幅広く作品を残しました。ベートーヴェンの作品における声楽作品の位置づけはどのように思われますか。

ベートーヴェンはソナタや交響曲などの器楽曲により、その名声が現在にも残っていますが、彼の声楽曲、特に歌曲がいかに彼の音楽人生において重要な位置を占めていたかはあまり知られていません。ベートーヴェンの創作人生を紐解くと、彼が常に声楽曲の創造を模索し、いかに人間の声に興味を持っていたかがわかります。またベートーヴェンはしばしば、歌曲を自らの個人的な深い感情を表現する媒体として使っていたと言われていますが、それはまさに先述した、詩があるからできることだとも言えます。ドイツ歌曲というとどうしてもシューベルトやシューマンが注目されてしまいがちですが、ベートーヴェンはその先駆者であり、その後の音楽家たちに大きな影響を残していると言えると思います。

 

――今回共演するピアニストの村上明美さんとは、群馬オペラアカデミー「農楽塾」の発表会で一度共演されたと聞きました。村上さんの印象を教えてください。

アカデミーの最後に講師演奏のような形で、総監督の中嶋彰子さんと一緒にメリーウィドウのワルツを歌いました。歌にぴったり寄り添ってくれる伴奏であると同時に、色彩豊かなピアノで、今回の演奏会は本当に楽しみにしています。あと本人にもお伝えしましたが、素敵なスーツをエレガントに着こなしていらっしゃったのがとても印象的でした。

共演するピアニストの村上明美(C)Shirley Suarez

――これまで京都では、京都市交響楽団の演奏会などにご出演されているかと思いますが、京都で思い出深いことがあれば教えてください。

京都市交響楽団の「戦争レクイエム」に出演させて頂きました(※2018年8月26日「京都市交響楽団 第626回定期演奏会@京都コンサートホール」)。終演後にお客さま方と一緒にホワイエでレセプションをする機会があったのですが、クラシック音楽にとても理解がある熱心なお客様が多く、感動した覚えがあります。
また、「オラトリオ・ソサイエティ・オブ・ニューヨーク」の来日公演(メサイア)でも京都コンサートホールで歌いました(※2019年6月7日公演)。ニューヨークでよく共演する団体の来日公演でしたが、当日は凄まじい盛り上がりようで、アメリカから来たメンバーたちは本当に感激していました。今回も思い出深い演奏会になればと思っています。

 

――最後にお客様へのメッセージをお願い致します。

私にとってはコロナでの活動自粛から、日本での初めての演奏会になります。久しぶりの舞台ということで様々な思いがありますが、これまで温めていたものを皆さんにお届けできればと思います。ホールでお会いできるのを楽しみにしています!

©Dario Acosta

――ありがとうございました!演奏会をとても楽しみにしております。

(2020年9月事業企画課メール・インタビュー)

☆特別連載
①村上明美 インタビュー<前編>
②村上明美 インタビュー<後編>

☆シリーズ特設ページはこちら

指揮者 高関健 インタビュー(2020.09.20第24回京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート)

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京都コンサートホール

毎年秋に開催する人気のコンサート「京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート」が、今年で24回目を迎えます。

公演に向けて、指揮を務める高関健さんにメールインタビューを行いました。
今回のプログラムやコロナ禍におけるクラシック音楽についてなど、色々と興味深いお話を伺いました。

ぜひ最後までお読みください。

(C)堀田力丸

——この度はお忙しい中、インタビューをお引き受けいただきありがとうございます。
2014年から昨年度まで京都市交響楽団常任首席客演指揮者でいらっしゃったので、京響については熟知されていると思います。今回のコンサートは退任されてから初めての京響との演奏になりますが、お気持ちに変化はありますか。

それぞれのコンサートに対する気持ちは特に変わることはありません。常に最善の演奏を目指すよう心がけています。
京響との初共演は1987年9月の第297回定期演奏会でしたが、33年も前のことなので、オーケストラは今ではすっかり世代交代しています。しかし時間をかけてでも良い音楽を作っていこう、という京響の伝統は少しも変わっていないと思います。さらに長年にわたる広上淳一さんの情熱を持ったご指導によって、楽員の皆さんの高い意識が実を結び、素晴らしいオーケストラになってきていると思います。

 

——「京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート」でタクトをとられるのは2015年以来5年ぶりになります。京響の定期演奏会とは雰囲気は異なりますか?

同じお客様に続けて聴いていただく定期演奏会とはもちろん雰囲気も異なりますが、初めて京響をお聴きになるお客様もいらっしゃるはずですから、音楽の素晴らしさ、オーケストラの楽しさをすぐに実感していただけるよう、気を引き締めて演奏していかなければなりません。

2015年9月13日 第19回京都の秋 音楽祭 開会記念コンサートより(撮影:佐々木卓男)

——今回、京都コンサートホール開館25周年ということで、ホールの顔ともいえるパイプオルガンにフィーチャーしたプログラムをお願いしました。
新型コロナウイルス感染症の影響でプログラムを変更せざるを得ませんでしたが、変更後のプログラムもとても素敵です。ジョンゲンとレスピーギのそれぞれの曲の聴きどころを教えてください。

京都コンサートホールのクライス社製のオルガンは音色も多彩で、機能性にも優れた素晴らしい楽器です。
これまでにもオーケストラにオルガンが組み込まれている作品では、京響の定期演奏会をはじめ何度も一緒に演奏し、その音色を確かめてきました。この度のコンサートでは、オルガンの響きを中心に据えたプログラムを、ということでジョンゲンの「協奏交響曲」の提示をいただきました。

アメリカ・ペンシルヴァニア州、フィラデルフィアにある「ワナメイカー百貨店」…現在は「メイシーズ」に名前が変わりました…に世界最大のオルガンが設置されています。お買い物を楽しみながら、オルガンの演奏が始まると、建物の壁をはじめ、あちこちに配置されたパイプが鳴り響きます。特に1階の大きな吹き抜けでは、建物全体から降り注ぐ壮大なオルガンの響きに囲まれてしまいます。

この大オルガンの機能を最大限に生かすための作品が、ベルギーの作曲家ジョンゲンに委嘱され、1926年に「協奏交響曲」ができあがりました。
従って、この作品を正しく演奏するためには、オーケストラがコンサートホールから百貨店に出張して演奏することになります (実際には様々な事情でなかなか演奏に至りませんでしたが、ようやく2008年、フィラデルフィア管弦楽団が「ワナメイカー百貨店」に赴き、正しい形での演奏が実現しました) 。

オルガンを主人公に、という目的にこれほど適った作品はありません。文字通りオルガンとオーケストラとの「競演」…「共演」ではありません…どちらに軍配が上がるか?内容も充実した「協奏交響曲」をお聴きになりながら、その勝負をお楽しみいただければ、これに勝る喜びはありません。

予定では、その後にサン=サーンスの第3交響曲を演奏することになっていましたが、事情によりプログラムが短縮されることになり、レスピーギの「ローマの松」に変更されます。

空気が乾いたローマの青空の下で遊ぶ陽気な子供たち、地下墓地で執り行われる厳かな儀式、澄み渡った夜空に明るく輝く満月と鳥の鳴き声(実際に聴こえてきます)、そしてはるか遠くからアッピア街道の石畳を踏みしめながら勝利の凱旋をするローマ軍と迎える人々の大歓声、そのすべての情景の周りに高くそびえ立つ松。聴いているだけで、見事に情景が脳裏に浮かびます。第2曲と第4曲にオルガンが参加して、オーケストラと共にコンサートホール全体を包み込む雄大な響きを作り上げていきます。

京都コンサートホールのパイプオルガン

——今回オルガン独奏は福本茉莉さんですが、福本さんとは以前、京響の「オーケストラ・ディスカバリー(ジョンゲンの《協奏交響曲》から第3, 4楽章)」で共演なさったことがありますね。

私が指揮を指導する東京藝術大学では、藝大フィルハーモニア管弦楽団が演奏し、在籍する学生がソリストを務める「モーニングコンサート」が毎年13回程度行われますが、私が指揮者として当時大学院生だった福本さんと初共演、その時の曲目がジョンゲン「協奏交響曲」でした。

練習時から技術はもちろん、音楽の構成、確固とした人格、溢れるアイディアの面白さに圧倒されたことを良く覚えています。京響「オーケストラ・ディスカバリー」で共演した時、福本さんはまだハンブルクに留学中でした。
近年は演奏の機会も拡がり、予感していたとおり、日本の若い世代を代表するオルガニストの一人として大活躍されていらっしゃいます。
今回もさらにパワー・アップして、ヴァイタリティーに富んだダイナミックなジョンゲンを聴かせてくださると確信しています。
京響と私も福本さんに負けないように心して演奏に取り組む所存です。

 

—— 先ほどの質問でも話題に出ましたが、今回のコンサートでは、新型コロナウイルス感染症の影響でプログラムを変更せざるを得ませんでした。また、最近、ふたたび感染拡大するなど、まだまだ予断を許さない状況が続いていますが、高関さんは現在のコロナ禍におけるクラシック音楽界(またはオーケストラ界)の現状について、どのようにお考えですか?

流動的な現時点で今後のことを予想することは、私にはできません。ただ、今年前半のいわゆる自粛の期間では、ほとんどすべての音楽家、しかも私たちだけでなく音楽を含めた芸術に携わるすべての皆さんが活動の停止を余儀なくされました。不要不急の議論どころか、私たちは生活の糧を失いかねない状況に置かれ、これほどの不安を味わうことになろうとは、想像もできませんでした。

夏に入って、少しずつ演奏が再開されていますが、特に若い世代の音楽家の皆さん、フリーランスの皆さんにとって状況は改善されていません。
私たちはできるところでは声を上げて、音楽の魅力やライヴのパフォーマンスの素晴らしさを皆さんにアピールしようと心掛けていますが、やはり実際に音楽する機会をいただかなければ、本来の力を発揮することができません。そのあたりのジレンマをものすごく感じています。
ですから、今回のような機会をいただいた時には、いかに生の演奏が素晴らしいか、音楽が自分たちのためだけでなく、皆さんにとって必要不可欠なものなのかを実感していただけるよう、精一杯演奏に表していかなければならない、と考えています。

 

——京都コンサートホールは感染拡大防止策を徹底的に行い、万全の体制でお客様をお迎えする予定です。
当日お越しくださるお客様にメッセージをお願いいたします。

オーケストラおよびクラシック音楽界は、慎重に議論を重ねた上で公演実施のためのガイドラインを作成し、徹底遵守しながら、6月後半より演奏を再開しました。その後もさらに演奏実験を重ねて、より精密で安全な開催を心掛けております。私たち演奏家は毎日の生活を含めて、感染しないよう十分に心掛け、また練習を含めた演奏活動の中では決して感染が拡がらないよう最大の注意を払っています。
お客様に置かれましても、設定させていただいた感染防止のためのガイドラインにご理解とご協力をいただきまして、会場でたっぷりと演奏をお楽しみいただければ幸いに思います。
ご来場を心よりお待ちしております。

2015年9月13日 第19回京都の秋 音楽祭 開会記念コンサートより(撮影:佐々木卓男)

(2020年8月事業企画課メール・インタビュー)

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☆ソリスト福本茉莉さん(オルガニスト)のインタビューはこちら

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オルガニスト 福本茉莉 インタビュー(2020.09.20第24回京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート)

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京都コンサートホール

今年で24回目を迎える「京都の秋 音楽祭」。その幕開けを飾る「開会記念コンサート」では、京都コンサートホール開館25周年を記念して、ホールの顔ともいえるパイプオルガンをフィーチャーしたプログラムをお届けします。

今回注目のパイプオルガンを演奏するのは、ドイツを拠点に活躍するオルガニストの福本茉莉さん。コンサートに向けてメールインタビューでお話を伺いました。

世界中での演奏活動や今回演奏していただく曲など、色々とお話いただきました。ぜひご覧ください。

(C)Susumu Yasui

———この度はメールインタビューをお引き受けいただき、ありがとうございます。まずはパイプオルガンについて伺います。オルガンはピアノと違い、誰でも出会える楽器ではないと思うのですが、いつどこで出会われましたか?

通っていた小学校にオルガンが新しく入り、楽器の大きさや音量に惹かれてしまいました。飛行機やガンダムなどのコックピットに憧れがあり、オルガンのコンソールを一目見た時から「絶対弾きたい!」と決意。憧れをもったまま中学生になり、普通のクラブ活動の一環でオルガンを始めました。もともと背が大きくはなかったので、オルガンを始めた当初はペダルまで足が全く届かず、先生がひどく困っていたのを思い出します。

パイプオルガンのコンソール(京都コンサートホール)

———福本さんは、現在ドイツを中心にヨーロッパで活動されていますよね。具体的にはどのような活動をされていますか?

去年からドイツ中部にある、ヴァイマールのフランツ・リスト音楽大学で後進の指導にあたっています。オルガンのほかにも、個人レッスンでチェンバロ、オルガン即興演奏と通奏低音といった実技を教えています。また、オルガン音楽史、オルガン教授法などの座学も受け持っています。常勤職なので、平日は普通の学内会議などにも追われていますが、週末には大体どこかしらに演奏に出かけています。昨シーズンからはコンチェルトの機会が増えてきましたので、新しくレパートリーを増やしているところです。

フランツ・リスト ヴァイマール音楽大学の学期始めの大学の教員と学生の集合写真(1列目右から2番目が福本さん)

———ヨーロッパにはコンサートホールだけではなく、教会にもオルガンがたくさんありますよね。オルガンの響き、空間の響きなどの違いや特徴などを教えてください。

教会でもコンサートホールでも会場によって残響や反響が全く異なるので、どのようにそれと対峙していくかは大事な演奏のポイントになります。ヨーロッパも教会によって木造だったり石造りだったりと響きは様々なので、本当に現地に行ってみてフレキシブルに対応していく必要があります。オルガンは空間も含めて楽器といえるので、ぜひ一期一会の響きをライブ体感していただきたいです。

 

———今回で京都コンサートホールのオルガンをお弾きいただくのは2度目(前回は2017年3月)となりますが、京都コンサートホールのオルガンの印象や魅力を教えてください。

90ストップ(音色の数)という非常に大型な楽器で、日本では珍しくフル・オーケストラのサウンドにも真っ向から“勝てる”力強さを備えています。更には音色の多彩さも魅力と言えましょう。

京都コンサートホールのヨハネス・クライス社製のパイプオルガン

———日本国内や、世界中のオルガンの中で福本さんの印象に残るオルガンを教えてください。

様々な国で演奏するとオルガンだけでなく、その国の文化だったり人との出会いだったり、そういう一つ一つのことが合わさって記憶に残っていきます。スイスのバーゼル大聖堂で演奏した後、その大聖堂に設置されていた一つ前のオルガンがロシアのモスクワ、カトリック教会に移設され、その教会で演奏したことは個人的に面白い経験でした。
また、ドイツのナウムブルクにあるヒルデブラント・オルガンはJ.S.バッハが鑑定した楽器なのですが、その音色の魅力や、底知れぬパワフルさで今のところ一番のお気に入りです。
日本のオルガンには、私はまだあまり訪ねられていないので、是非これから開拓していきたいものです。

オランダ・アルクマールのシュニットガーオルガンでのリハーサルの様子
オランダ・アルクマールのシュニットガーオルガン全景

 

 

 

 

 

 

 

 

———次は今回の演奏会について話を移します。
今回のコンサート前半のプログラム、ジョンゲンの《協奏交響曲》は、オルガン・ソロがメインとなる曲です。この作品の聴き所について教えてください。

《協奏交響曲》というタイトルのとおり、オルガンはソリストであると同時にオーケストラの一員としての役割も担います。オルガンという楽器は笛の集合体なので、例えばフルートとの掛け合いだったりオーボエとの掛け合い、そのようなことがオルガンでも絡んでくるので、いま誰が演奏した!?ということもしばしば。オルガンとオーケストラ・サウンドの見事な融合はこの作品ならではの特筆点ではないでしょうか。アメリカはフィラデルフィアにある世界最大、 464ストップ(京都コンサートホールは90ストップ)を持つ巨大ワナメーカーオルガン*のお披露目のために作曲された本作。会場を揺るがすようなオルガンとオーケストラのTuttiは必聴です。

*ワナメーカー:アメリカ・フィラデルフィアにあった百貨店ワナメーカーに設置された世界最大のパイプオルガン(シアターオルガン)です。現在は百貨店「メイシーズ」の中にあります。

 

―――2017年3月に京響のオーケストラ・ディスカバリーで高関さんと共演なさっていましたが(同じジョンゲンの《協奏交響曲》から第3,4楽章のみ)、その時のエピソードや印象に残っていること、指揮者高関さんの魅力などについて教えてください。

大船に乗った心地で演奏させて頂けて、導いて下さる先生の指揮の大ファンです。前回のリハーサル中、オーケストラの皆さんが不安がるくらいにオルガンを鳴らしにいっても、「もっとどんどん出しちゃいましょう!」と先陣を切ってジョンゲンの爆音を再現しようとされる先生がとても格好良かったです。そして先生がTwitterを本番の休憩時間にも更新されていることに衝撃を受けたのでした。演奏者の声が逐一聞けるのは凄く贅沢ですよね。

 

———続いて演奏されるのはレスピーギの《ローマの松》です。この曲ではクライマックスにオルガンが登場し、曲全体を盛り上げると思います。この作品の魅力について教えてください。

終始ドラマティックで音の描写で紡がれる物語が目に浮かぶ、非常に魅力的な作品です。ジョンゲン同様に、フル・オーケストラとオルガンによる華々しい盛り上がりはまさに音楽祭の開幕にふさわしい一曲ではないでしょうか。

 

———今回新型コロナウイルス感染症の影響は、わたしたちに様々な影響を及ぼしていますし、コロナ前・コロナ後で音楽に対する価値観も変わってきたと思います。特にドイツにお住まいの福本さんは現在のコロナ禍におけるクラシック音楽界の現状について、どのようにお考えですか?

確かに今私たちは新しい転換の時代を迎えていると思います。きっとこれからまだまだ多くの影響、変化が生じてくるでしょう。私自身2月末のスロヴァキアでの演奏後は全ての演奏会がキャンセルもしくは延期となり、7月半ばにドイツでの演奏の機会を頂くまで本番から完全に遠ざかりました。幸いにも大学の常勤としてお給料を変わらず頂けたので、フリーランスの方の大変さが余計に身に染みました。音楽や芸術一般に限定すると、それが例え今までとは全く違うフォーマットになったとしても、この時代に即した新たな形が生まれるある意味でチャンスであり、挑戦の時なのだと私は思っています。

ロックダウン前最後に演奏した、スロヴァキア・ブラティスラヴァのオルガン

———京都コンサートホールは感染拡大防止策を徹底的に行い、万全の体制でお客様をお迎えする予定です。最後に、当日お越しくださるお客様にメッセージをお願いいたします。

ライブの醍醐味は肌で感じる音楽、演奏者とお客様双方向から放出される熱気と会場の一体感だと思います。会場を揺れ動かさんばかりの盛り上がりを、高関先生、京響のみなさんとお届けする事をお約束いたします。京都コンサートホールの皆さんの万全なサポートがございますので、是非とも当日会場で、ライブだからこそ体感可能な豪華絢爛なサウンドを体験しにいらしてください!

(2020年8月事業企画課メール・インタビュー)

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【ベートーヴェンの知られざる世界 特別連載②】村上明美 インタビュー<後編>

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京都コンサートホール

京都コンサートホール開館25周年とベートーヴェンの生誕250周年を記念して開催する、特別シリーズ《ベートーヴェンの知られざる世界》。

本ブログでは、インタビューなどを通して公演の魅力をお伝えする特別連載を行っております。連載の第2回は、ピアニストの村上明美さんのインタビューの後編です(インタビュー前編はこちら)。
自らが芸術監督を務めるミュンヘンの宮殿での歌曲シリーズや今回のコンサートについて、お話いただきました。

―――前編では、歌曲との出会いや歌曲ピアニストの奥深さなどについてお伺いしました。少し話を前に戻しますが、大学を出られた後はどのような活動をされてきたのでしょうか?

歌曲ピアニストというのはドイツではエージェントもつかないですし、フリーランスとして全て自分でやっていく世界でした。オペラ劇場のコレペティというような枠があるわけではないですし。歌手との演奏会の他、マスタークラスや国際コンクールの公式伴奏の仕事をしていました。

 

―――コレペティと歌曲ピアニストはどう違うのですか?

よく間違えられてしまうのですが、別物ですね。コレペティのお仕事はオペラ劇場で、ピアノを弾きながら音楽稽古をつけるコーチのような役割が多いです。コレペティはオーケストラ譜を稽古で演奏しますが、舞台に出るわけではないのも違いの一つです。歌曲ピアニストは、場合によってはコーチをすることもありますが、基本的に歌手と対等な立場で舞台に立つので、アンサンブルメンバーとして互いに能動的な関係性が理想です。

 

―――勉強になります!ところで、村上さんはミュンヘンで歌曲演奏会シリーズの芸術監督をなさっているんですよね。どういうきっかけで始めたのですか?

フライブルクに留学しているときから、歌曲を勉強するためにドイツの文化に触れていきたいと思うけれど、国で見ると歌曲文化が育っていく環境が少ないなという気付きがあったんですね。卒業後もその状況に疑問を抱くようになっていきました。「歌曲が好きだけど演奏できる場がない」と悩んでいる仲間も多い中、悩んでいるだけでは何も変わらないなと。30歳くらいの時、私自身で具体的に形にすべきだと思い、歌曲会をシリーズとして立ち上げていこうと決めました。そうして、ミュンヘン宮殿で芸術監督としてシリーズを始めました。

 

―――そのシリーズはなんというタイトルですか?

LIEDERLEBEN(リート エアレーベン)というタイトルです。読み方は二通りあって、そのまま「LIED  ERLEBEN(リート・エアレーベン)」と読むと「歌曲を体験する、味わう」というような意味になり、「LIED(リート・歌曲)」で切らないで「LIEDER(リーダー)LEBEN(レーベン)」と読むと「歌曲は生きている」という意味になるんです。自分の思いがプロジェクトの名前になっています。

 

―――タイトルにも思いがこもっているのですね。それは年に何回くらい開催しているのですか?また、どんなアーティストが来てくださるのですか?

年4回です。これまでは、ユリアン・プレガルディエン(Julian Prégardien)さんや、ダニエル・ベーレ(Daniel Behle)さん、バイエルン国立歌劇場専属歌手のオッカー・フォン・デア・ダメラウ(Okka von der Damerau)さん、ウィーン国立歌劇場専属歌手のマヌエル・ヴァルザー(Manuel Walser)さんなど、素晴らしい歌手の方々がたくさん来てくださいました。

 

―――アーティストの人選も村上さんが自らされているのですか?

そうですね。私から素晴らしいと思った方にお声がけさせていただいて、企画の内容をお話して作っています。プログラムも歌手の方によって具体的に提案させてもらっていますし、忙しい方はスケジュールのことをお話しながら計画しています。

―――10月に京都コンサートホールの演奏会に来てくださいますが、一緒に来て下さる大西宇宙さんとはどんなご関係なのですか?

中嶋彰子さんが総監督を務められている群馬オペラアカデミー「農楽塾」で私が歌曲クラスの講師を務めていた際、大西さんがアカデミーの発表会にご来場くださり知り合いました。発表会の最後に、講師とゲスト演奏ということで、中嶋さん、大西さん、私とで一曲共演しましたが、正式に一緒に演奏会で共演するのは今回が初めてです。

 

―――なぜ彼を推薦してくださったのですか?

彼は、力強い深みと柔らかさを兼ね備えた素晴らしい声の持ち主で、このベートーヴェンプログラムを、是非一緒に共演したいと思いました。同世代で、世界を舞台に活躍する大西さんとの歌曲演奏、皆様にも楽しみにしていただければ幸いです。

大西宇宙©Dario Acosta

―――ベートーヴェンの生誕250周年の公演ですが演奏されるプログラムについて教えてください。

ベートーヴェンの3つの歌曲と、有名な「遥かなる恋人に」という作品を演奏します。また、なかなか聴く機会のないベートーヴェンのピアノトリオと歌の編成でスコットランド民謡も演奏します。当時民謡に関心が高まる中、ある英国の楽譜商人が人気作曲家であるベートーヴェンに民謡の編曲を依頼し、書かれた作品です。ベートーヴェンの多面的な魅力を楽しんでいただけるプログラムだと思います。

 

―――ベートーヴェンは歌曲の世界でいうと、どういう位置づけにいる作曲家なのですか?

歌曲の世界ではシューベルトが注目されることが多くて、ベートーヴェンは歌曲のイメージが少ないと思いますが、ベートーヴェンが音楽史上初めて書いたという「遥かなる恋人に」は歌曲としての出来がすばらしいと思います。シューベルトも同じ詩に曲をつけているのですが、ベートーヴェンの作品を見てから嫉妬心で自信を無くしてしまったくらいだそうです(笑)。
この曲は6曲でひとつの連作歌曲になっているのですけど、感情とリンクする素晴らしい作品だと感じますね。作品を通して、ベートーヴェンが自然を愛していたこと、また彼の人間的な温さも感じられます。クラシック時代の伴奏というと、わりと簡単なピアノ伴奏で歌と対等でないだとか、詩とそんなに溶け合ってないようなイメージを持たれることが多い中、この作品においては芸術レベルに達している作品だと思います。

 

―――そのほかに京響のメンバーやチェリストと共演もしますよね。歌曲以外でも楽しんでいただけるかなと思います。すごく大忙しの一日になりそうですね。

ずっと歌曲の世界に浸っていましたが、最近では少しずつ室内楽の活動も増えました。さらに室内楽で演奏の幅を広げていきたいと思っているときに、こんなプログラムで声をかけていただいたので、すごく楽しみにしています。本当に素晴らしい機会をいただいたと思います。

 

―――私たちもドイツで大活躍していらっしゃるピアニストが来て下さるので、これを機にもっと日本の人たちにドイツ歌曲の魅力を知ってもらえたらと楽しみにしています。どうぞよろしくお願いいたします!本日はありがとうございました。

(2019年9月事業企画課インタビュー@大ホール・ホワイエにて、
2020年8月事業企画課メール・インタビュー(大西さん部分))


☆村上明美さんから皆さまへ

☆特別連載①村上明美 インタビュー<前編>はこちら

☆シリーズ特設ページはこちら

【ベートーヴェンの知られざる世界 特別連載①】村上明美 インタビュー<前編>

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京都コンサートホール

2020年は、京都コンサートホールが開館25周年を迎えるとともに、ベートーヴェンの生誕250周年の年にもあたります。
この2つのメモリアルイヤーを記念し、京都コンサートホールでは、ほかでは聴くことのできない、特別なコンサート・シリーズ「ベートーヴェンの知られざる世界」を企画しました。

公式ブログでは、本シリーズをより楽しんでいただくため、特別連載を行い、アーティストの生の声などをお届けします。

まず最初は、10月10日のVol.1「楽聖の愛した歌曲・室内楽」に出演し、歌曲と室内楽のピアノを演奏する、村上明美さんのインタビューを行いました。大変充実した内容となりましたので、2回に分けてお送りします。前編では、村上さんが歌曲ピアニストを目指したきっかけや歌曲の魅力などをお話いただきました。

ぜひ最後までお読みください。

村上明美(C)Shirley Suarez

―――この度はインタビューの機会をいただき、ありがとうございます。
まず村上さんのことについてお聞きします。村上さんは、現在ドイツのミュンヘンを拠点に活躍されていますが、ドイツに移られたのはいつですか?また、なぜドイツを選んだのですか?

大学(京都市立芸術大学)を卒業して一年目の2007年からフライブルクに渡独しました。
京都市立芸術大学の図書館で偶然見つけた本がきっかけで歌曲の道に興味を持ち、留学先はドイツにしようとその時から決めていました。どうしてもドイツ歌曲を勉強したいという意思があったからです。

 

―――そのきっかけのお話を詳しくお聞きしたいと思います。音楽高校・芸大で音楽漬けの毎日だったと思うのですが、ソロよりもピアノで誰かと共演するということに最初から興味があったのですか?

音楽高校に通っていた頃はソロにしか興味がありませんでした。子どもの頃から母がピアノを応援してくれていたのですが、高校2年生の時に病気で他界してしまったことで、少しずつ音楽に対する心境も変わっていきました。生活環境の大きな変化に対応する中、「自分は何のために音楽を勉強しているのだろう。音楽でどういうことをしたいのだろう」と問いかけることが大学生になってから増えていきました。そんな時に、自分の好きな音楽を自己分析していて、詩と音楽のように内面的な方向性に惹かれるという傾向に気付いていきました。

 

―――先ほど偶然ある本に出会ったとおっしゃっていましたが、なんという本でしたか?また、いつ頃出会ったのですか?

「伴奏の芸術」というヘルムート・ドイチュという歌曲ピアニストの方が書かれた本です。出会ったのは、大学四年生の時ですね。

 

―――なぜその本を手に取ったのですか?

当時は室内楽をすることが多くて、その時ちょうどチェロとヴァイオリンの伴奏をしていたんです。それで、伴奏の参考になる本を探していて「伴奏の芸術」というタイトルに興味を持って手に取りました。まさか歌曲についての本だとは思いもせず。そして、読み進めてすぐにこれは運命的な出会いだと確信しましたね。今でもその瞬間を覚えています。

 

―――その本の中でどんなことが一番印象に残りましたか?

歌曲作品を演奏する際には、まず作曲家が惹かれた詩と向き合います。作曲家が曲をつけたいと思う言葉に触れるということは、彼らの人間性や当時の思想、感性に繊細かつ直接的に触れることとなります。その親密な世界観と表現の可能性にアーティストとして、とても魅力を感じました。歌曲が持つ表現の具体性と内面的感情表現も印象的でした。
また、私はロマンチストなので、単純に恋や人や、自然への憧れについての詩や音楽も素敵だと思いました(笑)

 

―――その本を読んでから伴奏するときの心持ちや感触というのは変わっていきましたか?

「伴奏」という言葉がどこか持ってしまう付け合わせ的な概念がなくなり、どんなに簡単なパッセージや和音にも役割、意味やファンタジーを求める芸術性を探求するようになりました。また、あの本に出会っていなければ、ドイツ語にここまで自分がのめり込むことはなかったですし、人生が変わるほど歌曲に向き合うことはなかったと思います。
当初はまだ歌曲の世界を全然知らなかったのですが、バッハやモーツァルトなどドイツ語を話す作曲家が好きで、そういう作曲家の曲を弾いているときに、彼らがどういう言葉を話すのか、その言葉から来るフレージングというのはどんなだろうとか、文化にもすごく興味がありました。歌曲を通して、自分の演奏でその世界観を表現したいと思うようになりました。「人生をかけて挑戦したい」と思えるほど、私の人生を変えてくれた出会いだと思います。

―――素晴らしい出会いですね。その出会いの後、フライブルクに行かれてからはこの先生に付くというのは決めていらっしゃったのですか?

フェリックス・ゴットリープ先生というロシア系の先生に付きました。彼もまた運命的な出会いで、偶然彼のCDをタワーレコードで見つけることができて彼の演奏を知ったんです。バッハやシューベルト、室内楽も得意だということを聞いて、迷いなく彼のところに行きました。当時、ソロピアニストとしての腕を上げつつ、ドイツ歌曲演奏に必要な要素を現地で下積みしたいと思っていました。

 

―――先生ともまた、運命的な出会いを果たされたのですね。海外の音楽大学と、日本の音楽大学・芸大というのは少し仕組みが違うと思います。日本では、少し言い方が悪いですが、「伴奏」はピアノ専攻の方が片手間にするイメージが持たれていると思うのですが、村上さんが行かれたところは伴奏専門の専攻だったのですか?

フライブルクではピアノソロを専攻したのですが、ミュンヘンでは歌曲について学べる「歌曲科」という専攻で、本の著者のヘルムート・ドイチュ先生のもとで勉強しました。留学当初から、彼の元で歌曲伴奏を勉強することが夢でした。

 

―――歌曲科というものがあるのですね。そこにはどんな方がいらっしゃるのですか?歌曲科に入ったら、歌手の方は歌曲だけを練習するのですか?

歌手もピアニストもいますが、歌曲を学ぶために来ているピアニストの方が多かったような気がします。また、声楽科に在籍していて授業の一環として歌曲の授業を受けに来る人もいました。歌曲科の歌手の生徒は、本当に歌曲だけに時間を費やしていましたね。歌曲科のピアニストは逆に、歌曲だけでなく、担当の声楽クラスで伴奏することもカリキュラムに組まれていて、そこでは多くの宗教曲やオペラ作品も演奏しました。

 

―――ソロのピアノ科と、歌曲科に入った時ではどんな違いがありましたか?

まず歌曲には詩があるので、詩を読んで言葉のニュアンスやフレーズを感じて楽譜を読むようになりました。詩を書いた人と作曲家の世界観を考えるようになったのは、やっぱり歌曲科に入った後からですね。またソロは一人で音楽を作りますが、歌曲の世界は共演者とともに音楽表現をするので、そこにも大きな違いがありますよね。その他、一曲の長さも全く違います。歌曲は、時に1分以内のものからとても長くて7分から10分ですので。
一つの演奏会で演奏される曲数も当然多くなりますし、またレパートリーも共演者の声質や、得意分野に左右されるので、表現の多彩さが自然と求められます。

 

―――フライブルクとミュンヘンには何年いらっしゃったのですか?そこではどんな本番を迎えられたのですか?

フライブルクに2年、ミュンヘンに2年在籍していました。ミュンヘンは今も私の活動の本拠地です。ソロ科では、学校の発表会での本番が中心でした。歌曲科では、必ず二人の伴奏を担当することが決められていました。私は限られた時間の中でいろんな人と演奏することがとても大事だと思っていたし、レパートリーもたくさんほしかったので、八人の歌手と演奏していました。その分学校の本番を始め、コンクールや録音での共演も多くありました。

 

―――八人!忙しいですね。

そうですね。でも、歌手はそれぞれコンディションがあって、八人全員が毎回歌えるわけでもないので、私としてはたくさんいてちょうどいいくらいでした(笑)一緒に演奏できる時間って少ないから、その時間を本当に後悔のないように過ごしたいという気持ちはありました。

―――そこで2年間勉強されて手ごたえはありましたか?歌曲について深く学べたという満足感はありましたか?

フライブルクの時から副科で歌曲を勉強していたのですが、やはりドイチュ先生のところで勉強してからは、特に深く知ることができたという実感がすごくありました。

 

―――ドイチュ先生はどんな方なのですか?

ドイチュ先生はヘルマン・プライの伴奏ピアニストとしてキャリアを始めた方で、その後世界的歌手のヨナス・カウフマンやディアナ・ダムラウの専属ピアニストとして共演し、今は歌曲ピアニストの世界第一人者として活躍されています。

 

―――私たちは歌曲ピアニストとしてのドイチュ先生しか知らないので、どんなことを大切にして指導されていたかなど、「先生」としてどのような方なのかを教えてもらえませんか?

考えることをとっても大事にされている先生で、楽譜と詩を結び付けて考えさせてくれました。歌曲の世界は人から与えられて出来ていくものではないので、感受性や「自分で考えること」がとても大事で、その辺を鍛えていただきました。また共演者と音楽づくりをする上での音質、指揮者のようにテンポや共演者とのバランスを構築していく感覚も、彼から学びました。あとは、ドイチュ氏が歌手に言うこともすごく勉強になりましたね。歌手は声が楽器なので、演奏上も精神的にもデリケートな世界です。だから、どういう風にコミュニケーションを取っているか、どうやって意見を伝えているのかということも興味深く学ばせていただきました。

 

―――村上さんは歌手の方とコミュニケーションを取る中で、なかなか意見しにくい時もありましたか?

学生の時と今とではすごく変化がありますね。ミュンヘンで勉強していた1年目なんかは今よりもっとシャイで、どういう言い方をしたらより良いコミュニケーションができるか確信がなかったです。ヨーロッパと日本で好まれるコミュニケーションの差にも慣れていませんでした。プライベートでも演奏上でも、はっきりと意思表示することが求められますが、それでいて共演者と調和することが当時はテーマでした。経験と共に、お互いに「演奏の中で、考えと存在感を示す」というところに行きついて、コミュニケーションが取りやすくなりました。また、呼吸ひとつでも良いコミュニケーションはできますから。その中で「これは話さないとどうしても合わないな」と感じられたら「今のテンポどう思う?」とか具体的に話し合うことはできますけど、手探りでやっていたときは一番コミュニケーションが難しかったです。それぞれの性格や状況もあってのことですので、最終的に相手も自分もどちらもリスペクトすることが、良い音楽をするのに大切だと思います。

 

―――奥深いですね。村上さんが歌手の方と演奏するときに大事にしたいことはどんなことですか?

お互いにどれだけ詩と音楽の世界に向き合うことができるかを大事にしています。
作曲家は詩に音楽を付けているので、強弱ひとつでもその詩の感情表現であって、作曲家からのメッセージだと思うんですね。そのメッセージをどれだけ読み込むかというリスペクトがあってはじめて、作品が完成していくのだと思っています。また、心地よく意見を言い合えたり、表現を試しあえる信頼感も大切だと思います。最終的に、舞台で互いに音楽を楽しみ、私たちアーティストを通して作曲家のメッセージをお客様と共有することが目的ですから。

 

―――実は私もフランス語の詩を読もうと思ったことがあるのですが、何を言いたいのか掴みにくく、想像が難しかったんです…

フランス語の詩とドイツ語の詩は全然違いますね。ドイツの方は「フランス語の詩や音楽は苦手!」って感想をよく聞きますよ(笑)フランス語の詩や言葉のフレーズは、ドイツ物と比べ掴みどころがなくて抽象的なんですよね。そこが素敵だったりもするのですが。たぶん、ドイツ人や日本人はきっちりしているから「結局何が言いたいの?」と思ってしまうのかも。ドイツ語の詩はわりと具体的ですし、私はドイツ語の詩に励まされたり、癒されたり、人生について学んだりしていますよ。ぜひドイツ語の詩も読んでみてください!

 

―――ドイツの詩も読んでみたいと思います!おすすめの詩人がいたら教えてください。

詩人は人によって趣味があるので難しいですね。例えばゲーテ、ハイネ、アイヒェンドルフ、リュッケルトとかいろんな詩人がいますが、詩人によって同じ作曲家でも曲の仕上がりの雰囲気も全然違うんですよね。以前ゲーテの歌曲集をバリトン歌手の方と作ったんですけど、詩人を選ぶ際に、いろんな詩人ごとに様々な作曲家の歌曲作品を集めて比較しました。そうすると詩人の持つ特徴から作曲家の作品の雰囲気やエネルギーが相似していることに気が付きました。例えばゲーテだったら力強くていきいきしている作品が多いし、ハイネだったら繊細だけど巧みにエネルギーが交互している作品が多いと感じます。それぞれに良さがあるので、私はどの詩人が好きって言いにくいですね。

 

―――やっぱり詩を単体で読むより、音楽がついている方が入りやすいですか?

私にとってはそうですね。私も当初は歌曲をCDで聴くとき、ドイツ語が分かりにくかったので日本の対訳と同時に聴いていたんですけど、それでも言葉の響きと音楽から自分の中ですごくイメージが湧いたんです。音楽があるから詩が分かりやすくなるという実感があるし、言葉に抵抗があって詩が苦手と思っていらっしゃる方にも、歌曲の世界を通して身近に感じていただけると思います。

 

―――海外よりも日本は歌曲に触れる機会が少ないと思うのですが、もっと身近に感じられたらいいなと思いますよね。言葉が難しいというのもあるんでしょうね。

先ほどドイツ語があまり分からなくてもCDを聴いたらイメージが湧いたというお話をしましたが、それはドイツ語の特徴から来ていると思います。私にとってはドイツ語そのものが詩的で、たとえば「Wasser(水)」という言葉は「水が流れている!」と響きから絵が浮かぶし、「Mond(月)」は満月が輝いている様子が頭に浮かぶんですよ(笑)
心を開いて言葉を聴いて「なんだかこれはやわらかいな」とか「エネルギーが流れているな」といろいろ感じることは、音楽を聴いてイメージが湧くのと似ているのではないかと思います。言葉も音楽のように、リラックスして感じてみるとそれだけで楽しめるものだと思います。

 

―――すごいですね!そんな風にみんなに伝えたいっていう思いがあるから、今までたくさんご活躍されてきたのだと思います。

後編につづく・・・

(2019年9月事業企画課インタビュー@大ホール・ホワイエにて)


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「北山クラシック倶楽部2020」後半セット券のご案内【セット券販売中止(6/10)】

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京都コンサートホール

「いい音が響いてほしい」

それだけを願い、世界的建築家 磯崎新と永田音響設計が精魂込めて創り上げた「アンサンブルホールムラタ」。

ここを舞台に繰り広げられる「北山クラシック倶楽部」は、海外トップアーティストによる世界水準の演奏を、最高の空間で体感していただくシリーズです。

今回は、2020年度後半に開催される5公演(9月~2021年3月)のアーティストをご紹介します。いずれの公演にも、いま旬の演奏家たちが出演!
演奏者の息遣いまで聞こえてくる濃密な空間で、世界トップクラスの演奏をご堪能ください。


セット券販売中止のお知らせ(6/10発表)

京都コンサートホールでは、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、お客さまに安心してご利用いただけるよう対応を行っております。

ホール内では客席間隔およびお客様と演奏者との間隔に十分な距離を確保するため、当面の期間、一部座席の使用を取りやめております。

そのため、「北山クラシック倶楽部2020 後半セット券」について今年度に限り取り扱いを中止させていただき、すでにご購入いただいておりますお客さまには大変申し訳ございませんがチケット代金のご返金をさせていただきます。

「北山クラシック倶楽部2020後半セット券」をご購入くださったお客様には京都コンサートホールより返金方法についてご連絡をさせていただきますので、いましばらくお待ちくださいますよう、宜しくお願い致します。

「オリヴァー・シュニーダー・トリオ (10/8)」、「ジャン=ジャック・カントロフ&上田晴子 デュオ・リサイタル (11/27)」、「ラデク・バボラーク&バボラーク・アンサンブル (12/1)」、「ユナイテッド・ユーロブラス・クインテット (3/4)」の各公演チケットに関しましては、大変お手数をおかけしますが、単券をご購入くださいますよう、宜しくお願い申し上げます。

アンサンブルホールムラタ(撮影:大澤正)

《孤高の天才》「世界一」と絶賛!カリスマ中のカリスマ
マルツィン・ディラ ギター・リサイタル 公演中止(※6/10発表)

マルツィン・ディラ

ワシントン・ポスト紙が「地上で最も才能あるギタリストの一人」と激賞。数多くの音楽評論家、愛好家、ファンたちも間違いなく世界のトッププレイヤーであると認める、ギター史に名を刻む天才中の天才。世界最難関と言われるGFA国際を含む19もの国際ギターコンクールで優勝。カーネギーホール、ウィーン楽友協会、アムステルダム・コンセルトヘボウなど世界屈指のホールや世界最高のギター音楽祭に度々招かれ演奏している。

◆公演詳細◆
[日時]2020年9月11日(金)19:00開演(18:30開場)

[プログラム]
ミヨー:セゴビアーナ
ポンセ:フォリアの主題による変奏曲とフーガ ほか

[一回券]
全席指定 一般:4,000円 *会員:3,600円
*会員先行発売:5月17日(日)/一般発売:5月30日(土)

[主催]MCSヤング・アーティスツ


ピアノ・トリオを極める先鋭たち
オリヴァー・シュニーダー・トリオ(ピアノ三重奏)

オリヴァー・シュニーダー・トリオ

スイスの実力派ピアニスト、オリヴァー・シュニーダーと、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団の首席奏者、アンドレアス・ヤンケとベンヤミン・ニッフェネガーによって結成された気鋭のピアノ・トリオ。2012年にデビューしてから、世界中で大絶賛を受けている。また、最新の録音であるベートーヴェンのピアノ三重奏曲全集も高い評価を得た。アンサンブルの極みを追求し続けている新世代のピアノ・トリオ。

◆公演詳細◆
[日時]2020年10月8日(木)19:00開演(18:30開場)

[プログラム]
ベートーヴェン:ピアノ三重奏曲 第4番 変ロ長調 op.11『街の歌』
ブラームス:ピアノ三重奏曲 第1番 ロ長調 op.8(1891年改訂版)ほか

[一回券]
全席指定 一般:4,000円 *会員:3,600円
*会員先行発売:6月20日(土)/一般発売:6月27日(土)

[主催]日本アーティスト


フランス・ヴァイオリン界の巨匠、最高のデュオ公演開催決定!
ジャン=ジャック・カントロフ&上田晴子 デュオ・リサイタル

ジャン=ジャック・カントロフ

フランスを代表する名ヴァイオリニスト。19歳にてカーネギーホールでのデビューを飾ってからは、世界中でソリスト、室内楽奏者として活躍。ヴァイオリニストとしての活動の他、パリ管弦楽団アンサンブルなど多くのオーケストラの常任指揮者を務める。2012年よりヴァイオリニストとしての活動を休止していたが、2017年春より再開し、2019年にはピアニスト上田晴子とともに日本ツアーを行い、圧巻の演奏で好評を博した。

◆公演詳細◆

上田晴子

[日時]2020年11月27日(金)19:00開演(18:30開場)

[プログラム]
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ 第35番 ト長調  K.379
プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 ニ長調  op.94bis
ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第10番 ト長調  op.96  ほか

[一回券]
全席指定 一般:5,000円 *会員:4,500円
*会員先行発売:7月18日(土)/一般発売:7月26日(日)

[主催]日本コロムビア株式会社


極上のホルンとビロードの弦の音色が溶けあう、比類なき天上の響き
ラデク・バボラーク&バボラーク・アンサンブル

ラデク・バボラーク&バボラーク・アンサンブル

世界トップ・クラスのホルン奏者。これまでにチェコ・フィル、ミュンヘン・フィル、バンベルク響、ベルリン・フィルのソロ・ホルン奏者を歴任。小澤征爾、バレンボイム、ラトル、レヴァインなどの指揮者からの信頼が厚く、世界的なオーケストラと共演。日本では、サイトウ・キネン・オーケストラ、水戸室内管弦楽団やパシフィック・ミュージック・フェスティバルにソリストとしてだけでなく指揮者としても客演している。2018年から山形交響楽団首席客演指揮者も務める。

◆公演詳細◆

ラデク・バボラーク(c)Lucie Cermakova

[日時]2020年12月1日(火)19:00開演(18:30開場)

[共演]
D.カルヴァイ、M. ヴァチョバー(ヴァイオリン)
K.ウンターミュラー(ヴィオラ)
H.バボラコヴァー(チェロ)ほか

[プログラム]
モーツァルト:ホルン協奏曲より
ベートーヴェン:六重奏曲 op.81b ほか

[一回券]
全席指定 一般:5,000円 *会員:4,500円
*会員先行発売:7月18日(土)/一般発売:7月26日(日)

[主催]AMATI


トランペットの巨匠ラインホルト・フリードリッヒ率いる夢のブラス・クインテットが遂に来日
ユナイテッド・ユーロブラス・クインテット

ユナイテッド・ユーロブラス・クインテット

トランペットの名匠、ラインホルト・フリードリッヒの呼びかけにより結成された金管五重奏団。メンバーは、フリードリッヒ(ルツェルン祝祭管首席)のほか、トランペットのイェルーン・ベルワルツ(元ハンブルク北ドイツ放響首席)、ホルンにラッセ・マウリッツェン(デンマーク放響首席)、トロンボーンにイアン・バウスフィールド(元ロンドン響/ウィーン・フィル首席)、テューバにトーマス・ロイスランド(デンマーク国立響首席)と錚々たるメンバーで構成され、世界各国で活動している。

◆公演詳細◆

[日時]2021年3月4日(木)19:00開演(18:30開場)

[プログラム]
エヴァルド:金管五重奏曲 第3番 変ニ長調 op.7
ビートルズ・メドレー ほか

[一回券]
全席指定 一般:4,500円 学生:2,500円 小学生:500円 *会員:4,000円
*会員先行発売:11月21日(土)/一般発売:11月29日(日)

[主催]プロ アルテ ムジケ

[撮影]大澤正

★★お得な5公演セット券(限定100セット!)★★

5公演をお得に楽しめるセット券(限定100セット)をご用意しております。ご予約・ご購入時に指定範囲内から座席をお選びいただき、全公演共通座席「マイシート」でお聴きいただけるセット券です。みなさま、この機会にぜひお買い求めください。

【セット料金】
19,000円 <15%お得!>

【販売期間】
*会員先行期間  4月11日(土)~4月17日(金)
一般販売期間  4月18日(土)~5月14日(木)

*会員:京都コンサートホール・ロームシアター京都Club(会費1,000円)・京響友の会の会員が対象です。

※出演者、曲目、曲順など内容が変更になる場合がございます。予めご了承ください。

【チケットご購入・お問い合わせ】
●京都コンサートホール・チケットカウンター 075-711-3231
(10:00~17:00/第1・3月曜休 ※休日の場合はその翌平日)

オンラインチケット購入 (24時間いつでも購入可能!)
(※参考 セット券をお求めの方は、こちらをクリック
※チケットの当日精算を希望される方はお電話にてご予約ください。

●ロームシアター京都・チケットカウンター 075-746-3201
(10:00~19:00/年中無休 ※臨時休館日を除く)

アダム・タバイディ氏 特別インタビュー(2/22オムロン パイプオルガン コンサートシリーズ Vol.65「世界のオルガニスト」)

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オルガン

2020年2月22日(土)14時開催「オムロン パイプオルガン コンサートシリーズVol.65“世界のオルガニスト”」では、世界で活躍するハンガリー出身の若手オルガニスト、アダム・タバイディさんをお迎えします。タバイディさんは2019年9月から、第21代札幌コンサートホール専属オルガニストを務めている、いま注目のオルガニストです。

今回の京都初公演に向けてメールインタビューを行いました。オルガンの魅力やパリ・ノートルダム大聖堂でのオルガン研修生時代に関するお話をたくさん聞かせてくださいました。

――タバイディさんこんにちは。このたびはインタビューの機会をいただき、ありがとうございます!さて、早速ですが、まずタバイディさんがオルガンを始められたきっかけから教えていただけますでしょうか?

アダム・タバイディさん(以下“タバイディさん”):ピアノとトランペットを6歳から習いはじめました。子どもの頃、よく教会に連れて行ってもらっていて、オルガンの演奏をいつも聴いていました。その美しい音色にとても魅了されていました。そして今後の進路を決める時、たしか14歳の時だったと思いますが、両親の友人で、地元の音楽大学で教授を務めていた有名なオルガニストの薦めでオルガンを始めました。

――そうだったのですね。楽器を始められてから10年以上経った今、タバイディさんはオルガンのどんな魅力を感じていらっしゃいますか?

タバイディさんオルガニストという仕事をしていて最もワクワクすることは、二つとして同じ楽器がないパイプオルガンを演奏できることです。新しいオルガンと出会うたびに、まるで初めて会った人同士のように、お互いのことを知ろうとします。どのオルガンにも個性や特有の雰囲気があり、演奏者自身にもそれぞれ個性があります。そして、オルガンは、ほとんど聞こえないぐらい小さな音から迫力ある大きな音まで、無数にある音色を組み合わせながら、色彩豊かに表現することができます。この多様性は、数ある楽器の中でもオルガンならではだと思っています。

――時代や国によって、様々なタイプの楽器がありますよね。タバイディさんは歴史的オルガンについて勉強されたそうですが、具体的にどのような勉強をされましたか?

タバイディさんその昔、オルガン製作は楽器の演奏技法と非常に密接な関係にありました。具体的に言いますと、オルガンの作曲家たちはオルガン製作者と密につながっており、互いに意見を共有しながら作曲を進めていました。そのため、オルガニストにとって歴史的オルガンは「最高の先生」なのです。

歴史的オルガンを弾く際、現代の演奏方法ではふさわしくないことがあります。例えば、歴史的オルガンの送風システムは、現代のオルガンとは全く異なり、20世紀初頭までは人力で風が送り込まれていました(注:現代のオルガンは大きな送風機が備えられている)。この構造を持つ楽器を演奏する際、例えばとても短い音は演奏できないなど、演奏の際に細心の注意が必要なんです。

―― オルガンは同じ楽器が二つとない、ということですが、初めての会場に行く時や初めてのオルガンを触る時に心がけていることなどがあれば教えてください。

タバイディさん私はいつもオルガンのストップリスト(注:楽器の全てのストップが掲載されたリスト)を研究し、覚えるようにしています。そして、新しい楽器に出会うたびに、私は全てのストップを試してみて、その後で音色の組み合わせを決めています。この作業を「レジストレーション」というのですが、とても重要な作業です。
大きなオルガンでは、この作業に1時間以上かかりますが、作品ごとに最も合った音色を簡単に見つけることができるので、手間をかける価値があります。演奏台がオルガンとくっついている場合は、弾きながら楽器から出る本当の音を聴くことができないため、別の人にオルガンを弾いてもらい、自分は客席で響きを確認したりします。

――何十もあるストップリストを覚えられているのですね!京都コンサートホールには、楽器から離れて演奏できる演奏台もあります。
オルガン演奏において重要なレジストレーションについて、オルガニストたちは普段どのように勉強しているのでしょうか。

タバイディさん音楽大学等で勉強している時に、非常に大切な練習として、どのようにレジストレーションを行うか先生に指導してもらいます。一人でオルガンに向き合う時間が段々と増えていくと、オルガニストの個性がレジストレーションに出てくるようになっていきます。

――タバイディさんは、かつてパリ高等音楽院でオルガンを学ばれていました。パリといえば、いま復旧中のノートルダム大聖堂で、初のオルガン研修生を務められたということですが、具体的にどのような活動をされていたのですか?

タバイディさんノートルダム大聖堂では教会行事に参加していました。最初の頃は、専属オルガニストの傍で、礼拝者が訪れる時どのように演奏するかを聴いて勉強していました。後に、大聖堂の合唱団が行うミサの伴奏を務めるなど、徐々に教会業務にも加わるようになりました。

――すごいですね!あのノートルダム大聖堂で……と考えるとわくわくします。
さて、タバイディさんは去年の9月から北海道・札幌に居住し、Kitara専属オルガニストとして活動されていますが、札幌での生活はいかがですか?

タバイディさん:札幌での生活は本当に楽しいです。札幌コンサートホールのスタッフのサポートで、ほぼ100%専属オルガニストの仕事に集中することができています。この仕事は私の人生にとって、またとない非常に貴重な機会です。
札幌コンサートホールのスタッフは本当に親切ですし、日本料理も美味しいです。それに、札幌の街は穏やかで、とても魅力的な所です。

――今回、初となる京都公演で演奏されるプログラムを拝見しましたが、とても興味深いものでした。選曲理由と聴きどころをそれぞれ教えてください。

タバイディさん今回のコンサートでは、3つの要素から構成される、バラエティーに富んだプログラムをお届けします。ドイツとフランスのいわゆる「伝統的な」オルガン音楽、さまざまな国の民族音楽、そして私の故郷ハンガリーの音楽をお楽しみいただきます。

――とても楽しみです!それでは最後に、演奏会を楽しみにしている皆さまへ、メッセージをお願いいたします。

タバイディさん京都コンサートホールで皆さまにお会いすることができて本当に光栄です。この美しいホールと皆さまへ色彩豊かなプログラムをお贈りします。どうぞコンサートをお楽しみください。

――お忙しい中インタビューにお答えいただきありがとうございました!演奏を聴けますことを楽しみにしております!

(2020年1月事業企画課メール・インタビュー)

★公演情報はこちら

2020年度オーケストラ・セット券「BIG3」詳細決定!

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京都コンサートホール

2020年度の京都コンサートホールのオーケストラ公演セット券「BIG3」の詳細が決定しました!
3人のマエストロによる、壮大なる交響曲3作品が披露されます。豪華ラインアップをご紹介いたします。


「人類愛と平和」——ベートーヴェン《交響曲第9番「合唱付」》
ムジカエテルナ

テオドール・クルレンツィス&ムジカエテルナ(c)Olya Runyova

世界中のクラシック音楽ファンを熱狂させるテオドール・クルレンツィス&ムジカエテルナ。2019年2月に待望の初来日を果たし、東京で開催された3公演のチケットは全て完売するなど、日本のクラシック音楽界に大きな爪痕を残しました。
そんな彼らが、ベートーヴェン生誕250年にあたる2020年、再び日本で旋風を巻き起こします!京都初公演のために選ばれたプログラムは、ベートーヴェンの交響曲第9番「合唱付」。
この傑作中の傑作をクルレンツィスとムジカエテルナはどう表現するか――今回の関西公演は京都での1公演のみ。どうぞお見逃しなく!

 

◆公演詳細◆
[日時]2020年4月10日(金)19:00開演(18:15開場)

[指揮]テオドール・クルレンツィス(ムジカエテルナ芸術監督)
[合唱]ムジカエテルナ合唱団
ソプラノ ジャナイ・ブラッガー
メゾ・ソプラノ ゾフィー・ハルムゼン
テノール ウギョン・キム
バリトン アンドレイ・キマチ
※2/13ソリスト決定

[プログラム]
ベートーヴェン:交響曲第9番 二短調 op.125「合唱付」

[一回券]
S 21,000円 A 18,000円 B 14,000円 C 11,000円 D 9,000円*会員は各席種1割引
会員先行発売:1月11日(土)/一般発売:1月19日(日)

[主催]KAJIMOTO


「復活と救済」——マーラー《交響曲第2番「復活」》
京都コンサートホール開館25周年記念事業
ロンドン交響楽団

ロンドン交響楽団 (C)Ranald Mackechnie

世界屈指のオーケストラ、ロンドン交響楽団(LSO)。
1904年の創立以来、首席指揮者にH・リヒターやA・ニキシュ、P・モントゥー、A・プレヴィン、C・アバド、V・ゲルギエフら、名だたる巨匠たちを迎えてきたLSOですが、2017年9月から実力・人気共に世界トップ・クラスのサイモン・ラトルが音楽監督として就任しました。
今回の京都公演ではマエストロたっての希望でマーラーの交響曲第2番「復活」を選曲。関西二期会や神戸市混声合唱団、びわ湖ホール声楽アンサンブル、京都市立芸術大学など、関西の声楽家たちが集結し、京都公演だけの特別な合唱団を結成します。
京都コンサートホールでしか聴くことの出来ない至極のマーラーをお楽しみください。

サー・サイモン・ラトル(c) Oliver Helbig

◆公演詳細◆
[日時]2020年10月4日(日)16:00開演(15:00開場)

[指揮]サー・サイモン・ラトル(ロンドン交響楽団音楽監督)
[ソプラノ]エルザ・ドライジグ
[メゾ・ソプラノ]エリーザベト・クールマン
[合唱]関西二期会合唱団・神戸市混声合唱団・びわ湖ホール声楽アンサンブル ほか有志(※3/9追記)

[プログラム]
マーラー:交響曲第2番 ハ短調「復活」

[一回券]
S 22,000円 A 19,000円 B 16,000円 C 13,000円 D 9,000円 *会員は各席種1,000円引
会員先行発売:4月4日(土)/一般発売:4月11日(土)

[協賛]株式会社ゼロ・コーポレーション


「平和への祈り」——バーンスタイン《交響曲第3番「カディッシュ」》
京都コンサートホール開館25周年記念事業
京都コンサートホール×京都市交響楽団 プロジェクトVol.1
「佐渡裕指揮バーンスタイン《交響曲第3番「カディッシュ」》

佐渡裕(C)Takashi Iijima

京都が誇るマエストロ佐渡裕が登場!しかもプログラムはオール・バーンスタイン・プログラム!中でも《交響曲第3番「カディッシュ」》は必聴必見です。
この作品は1963年、当時のアメリカ大統領ジョン・F・ケネディが暗殺された際、バーンスタインが楽譜の1ページ目に「ジョン・F・ケネディの愛する思い出のために」と書いたことで知られているものです。バーンスタインがその一言をしたためた日付は1963年11月22日でした。
奇しくもその日と同じ日に師バーンスタインの作品を振ることになるマエストロ佐渡。この不思議な巡り合わせはまさに奇跡と言ってもよいでしょう。
京都コンサートホールと京都市交響楽団による新たなコンサート・プロジェクトの第一弾です!

京都市交響楽団(c)井上写真事務所 井上嘉和

◆公演詳細◆
[日時]2020年11月22日(日)14:00開演(13:15開場)

[指揮]佐渡裕[管弦楽]京都市交響楽団
[朗読]原田美枝子[ソプラノ]天羽明惠[合唱指揮]本山秀毅
[合唱]京都コンサートホール祝祭合唱団京都市少年合唱団

[プログラム]~オール・バーンスタイン・プログラム~
ディヴェルティメント
プレリュード、フーガ&リフス
交響曲第3番「カディッシュ」

[一回券]
S 8,000円 A 6,000円 B 4,000円 *会員は各席種500円引
会員先行発売:5月10日(日)/一般発売:5月17日(日)


★★ お得な3公演セット券「BIG3」 ★★

★セット券料金(全席指定・3公演共通座席)
S席セット券 51,000円⇒45,000
A席セット券 43,000円⇒38,000

★販売期間
*会員先行期間 2019年12月8日(日)~12月14日(土)
一般販売期間 2019年12月15日(日)~2020年2月16日(日)

★特典
①1回券より10%以上お得 !
②3公演を共通座席「マイシート」で味わえる!
③演奏会当日、会場にてツアープログラム(有料)をプレゼント!
(※11/22公演を除く)

*会員:京都コンサートホール・ロームシアター京都Club(会費1,000円)と京響友の会の会員が対象。
※出演者、曲目、曲順など内容が変更になる場合がございます。予めご了承ください。

★購入はこちら

 

「北山クラシック倶楽部2020」前半セット券のご案内

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京都コンサートホール

世界的建築家 磯崎新と永田音響設計が精魂込めて創り上げた、室内楽専用ホール「アンサンブルホールムラタ」。星座の描かれた天井、宇宙を思わせる舞台照明、磁北を示す光のラインなど、まるで「ミクロコスモス」を思わせるホールのインテリアは、演奏者と聴衆の胸を高鳴らせると同時に我々を「異空間」へと誘います。

ここを舞台に繰り広げられる「北山クラシック倶楽部」は、海外トップアーティストによる世界水準の演奏を、最高の空間で体感していただくシリーズです。

さて、この度、2020年前半4公演(4月~6月)のラインアップが出揃いました!いずれの公演にも、いま旬の演奏家たちが出演!
演奏者の息遣いまで聞こえてくる濃密な空間で、世界レベルの演奏をご堪能ください。

また、とってもお得に「北山クラシック倶楽部2020」の前半4公演を聴いていただけるセット券(限定100セット・約10%割引)を販売いたします。
ご予約・ご購入時に指定範囲内から座席をお選びいただき、全公演共通座席「マイシート」でお聴きいただける、こだわりのセット券です。みなさま、この機会にぜひお買い求めください。

アンサンブルホールムラタ

国際的チェリストと気鋭のカルテットが共演
ミハル・カニュカ(チェロ)&関西弦楽四重奏団
~シューベルト・プログラム~

2017年のリサイタルで、洗練された演奏で京都の聴衆を虜にしたミハル・カニュカ。
チェコを代表する国際的チェリストと第一線で活躍する俊英たちで結成された日本の関西弦楽四重奏団が共演します。
この室内楽の達人5人がシューベルトの名作を披露。まさに、この日、この時でなければ聴けない響きをお楽しみいただけるでしょう。室内楽ファン、シューベルト・ファン必聴の一夜です。

◆公演詳細◆
[日時]2020年4月7日(火)19:00開演(18:30開場)

[出演]
ミハル・カニュカ(チェロ)
関西弦楽四重奏団
林七奈、田村安祐美(ヴァイオリン)
小峰航一(ヴィオラ)上森祥平(チェロ)

[プログラム]
シューベルト:
弦楽四重奏曲 第12番 ハ短調 D703「四重奏断章」
アルペジョーネ・ソナタ イ短調 D821(ソロ・チェロ&弦楽四重奏版・編曲:ミハル・カニュカ)
弦楽五重奏曲 ハ長調 D956

[一回券]
全席指定 一般:5,000円 *会員:4,800円
*会員先行発売:1月13日(月・祝)/一般発売:1月17日(金)

[主催]コジマ・コンサートマネジメント


2016年ミュンヘン国際音楽コンクール優勝!進化を続けるパリの精鋭カルテット
カルテット・アロド

(C)Marco Borggreve

2013年にフランス・パリで結成された弦楽四重奏団、カルテット・アロド。16年には難関ミュンヘン国際音楽コンクールで優勝し、大きな注目を集めました。そのフレッシュな魅力が日本の聴衆の心をとらえた17年12月の初来日後も、ロンドンのウィグモアホールやバービカンセンター、フィルハーモニー・ド・パリ、カーネギーホール、エルプフィルハーモニー・ハンブルクをはじめとする欧米の有名会場で喝采を浴びるなど、ますます躍進を続けるカルテット、2度目の来日です。

◆公演詳細◆
[日時]2020年4月22日(水)19:00開演(18:30開場)

[出演]カルテット・アロド
ジョルダン・ヴィクトリア、アレクサンドル・ヴ(ヴァイオリン)
タンギー・パリソ(ヴィオラ)サミー・ラシド(チェロ)

[プログラム]
ハイドン:弦楽四重奏曲第79番 ニ長調 op.76-5「ラルゴ」
シューベルト:弦楽四重奏曲第14番 ニ短調  D810 「死と乙女」 ほか

[一回券]
全席指定 一般:3,000円 *会員:2,700円
*会員先行発売:1月19日(日)/一般発売:1月25日(土)

[主催]Eアーツカンパニー


21世紀、この世に再びパガニーニが現れた!
ロマン・キム 無伴奏ヴァイオリン・リサイタル

カザフスタン発。規格外、桁外れのヴァイオリニストがこの地上に爆誕!日本上陸!!「ヴァイオリン一挺でありとあらゆる音楽を再現する」とんでもないこの若者は、単なる超絶技巧の持ち主ではなく「芸術の本質をえぐり出す」才能をも有する。ヴァイオリンだけで《G線上のアリア》全パート演奏する(しかも音楽的!)など、パガニーニが現代に生きたならこう書いたのではないか?と思わせる奇跡的充実の音楽に、ただただ茫然自失!

◆公演詳細◆
[日時]2020年6月2日(火)19:00開演(18:30開場)

[プログラム]~無伴奏ヴァイオリン芸術の極北~
J.S.バッハ:シャコンヌ
J.S.バッハ(R.キム編):G線上のアリア
パガニーニ:英国国歌による変奏曲 op.9
R.キム:レクイエム ほか

[一回券]
全席指定 一般:4,000円 *会員:3,600円
*会員先行発売:2月9日(日)/一般発売:2月16日(日)

[主催]MCSヤング・アーティスツ


知られざる才能の京都デビュー
イノン・バルナタン ピアノ・リサイタル

(C)Marco Borggreve

「イノン・バルナタン」という名前を初めて聞く方も多いかもしれません。彼はイスラエル出身、ニューヨーク在住のピアニストです。ニューヨークフィルの音楽監督を務めたアラン・ギルバートがバルナタンの才能に惚れ込んで2016年に日本で紹介。その豊かな音楽性が知られることとなりました。さて、バルナタンとはいったい、どんな才能の持ち主なのでしょうか。どんな音楽で私たちの心を揺り動かしてくれるのでしょうか。京都でそれらの疑問が解き明かされます。

◆公演詳細◆
[日時]2020年6月25日(木)19:00開演(18:30開場)

[プログラム]~時を超えた組曲~
J.S.バッハ:トッカータ ホ短調 BWV914
クープラン:《クラヴサン曲集 第12組曲》より〈アタラント〉
ラヴェル:《クープランの墓》より〈リゴードン〉
ブラームス:ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ op.24 ほか

[一回券]
全席指定 一般:5,000円 U25:2,000円 *会員:4,500円
*会員先行発売:2月9日(日)/一般発売:2月16日(日)

[主催]ヒラサ・オフィス


★★お得な4公演セット券(限定100セット!)★★

★セット料金(全席指定)
15,000円 <15%お得!>

★販売期間
*会員先行期間  2019年12月4日(水)~12月10日(火)
一般販売期間  2019年12月11日(水)~2020年1月8日(水)

*会員…京都コンサートホール・ロームシアター京都Club(会費1,000円)・京響友の会の会員が対象です。

※出演者、曲目、曲順など内容が変更になる場合がございます。予めご了承ください。